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加藤 孝司/KATO Takeshi
Design, Real Landscapes

デザイン・ジャーナリスト。東京は浅草生まれ。建築・デザインを横断的に探求、執筆。
デザイン誌や建築誌などへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、建築、デザイン、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。
http://form-design.jugem.jp



旧日本銀行広島支店にて


広島で開催中のChim↑Pom展をみた。以下はその時のメモです。

会場は旧日本銀行広島支店。68年前に原子爆弾により被爆した被爆建物だ。会場に入ると、焼けこげたバケツやジョウロなどに叢の多肉植物とSHAMROCKの植物が見立てられている。
その壁の裏の部屋では、渋谷の街でやった「ブラック・オブ・デス」を、2013年に東北被災地及び立ち入り禁止区域付近で行った映像が上映されている。車に取り付けられた、おとりのカラスに誘われて飛んでくるカラスの群れとその啼き声。原子力。万博公園、黒い太陽の塔。人類の描いた未来の夢と現実が交錯する。

フライヤーは金の折り紙。そのフライヤーで織られた折り鶴。折り鶴は言うまでもなく、広島の地においては平和の象徴のひとつである。今先ほど、平和資料館でみたばかりの、少女が折った小さな折り鶴を思い出す。

銀行の元金庫であった地下室の通路の突き当たりには、岡本太郎の彫刻が。その奥の部屋には、太朗の「明日の神話」をモチーフにした作品が展示される。東日本大震災に端を発する福島第一原子力発電所の事故。岡本太郎の「明日の神話」への加筆で物議を醸した2011年3月。そういえば太朗の「明日への神話」は、今、東京の渋谷駅にあるが、その誘致の際に広島も手を挙げていたと思う。
ここでも岡本太郎とチンポムの歴史が交錯する。日常の中に非現実が入り込む。その隙間をアートが埋めていく。

作品「平和の日」(2011年,2013年)は、広島の原爆の残り火「平和の火」を用い、作品を燃やすパフォーマンス映像。原爆の火を使ってのドローイング制作は、平和公園内の平和資料館、慰霊碑、原爆ドームを一直線に結ぶ、「丹下の都市軸」の線上にある公園で行われた。1966年にその存在が知られ、現在まで絶えず灯されてきた炎。アートだけでなく、椅子や、日用品もオイルを掛け燃やされた。鹿が描かれた屏風絵。

福島県相馬市で出合った若者と100連発の気合いを入れた様子を撮影、当事者の視点から原発事故というものを強烈に批評した、映像作品「気合い100連発」。被災した額に額装された被災地で撮影された写真。

渋谷センター街に住みつくネズミを採取した作品、2006年の「SUPER RAT」、「ヒロシマの空をピカッとさせる」(2009年)、「without SAY GOODBYE」(2011年)。福島第一原発に最も近い畑に防護服とガスマスクを付けたカカシを設置した。

まさに、いまという意味と、映画モダンタイムス、ニューヨークタイムズなどのメディアをもじった「REAL TIMES」という作品、3.11から1ヶ月後の4月11日、原発事故により無人となった警戒区域に入り込み、福島第一原発から約700メートルにある東京電力敷地内展望台に登頂した際のドキュメント映画。白い旗に赤いスプレーで日の丸を描き、その旗を放射能マークに変換した。遠くには倒壊寸前にまで崩壊し、白煙を上げる4号機建屋が見える。

一階展示室中央には、実物大のリアルな鶴のフィギュア、「リアル千羽鶴」。旧日本銀行広島支店に2012年まで展示されていた世界中から届けられた折鶴。それに着想を得た新作インスタレーション「PAVILION」は、渋谷PARCOのネオンサインからCとPの文字を外してミュージアムで展示した作品「PAVILION」(2012年)、岡本太郎記念館で行った「PAVILION」(2013年)に続くシリーズ3作目だ。

展示会場となった旧銀を出ると外は雨だった。建物の石の階段、石畳が濡れて、路面電車が走る電車通り沿いの街灯の青白い光をその濡れた石畳の上に反射させているのが見えた。

ChimPom「広島!!!!!」展
開催中〜2013年12月17日(火)


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