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加藤 孝司/KATO Takeshi
Design, Real Landscapes

デザイン・ジャーナリスト。東京は浅草生まれ。建築・デザインを横断的に探求、執筆。
デザイン誌や建築誌などへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、建築、デザイン、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。
http://form-design.jugem.jp


月別アーカイブ: 3月 2013

サイモン・フジワラ、岩、太宰府天満宮。

太宰府天満宮アートプログラム vol.8として、イギリス人現代美術家 サイモン・フジワラの個展「The Problem of the Rock」が今週末土曜日から太宰府天満宮宝物殿および境内で開催される(6月30日まで・写真は本展フライヤーより)。
本展開催に先立ち今週土曜日に太宰府天満宮にうかがうことになりました。
サイモン・フジワラ展で8回目となる「太宰府天満宮アートプログラム」は、2006年より太宰府天満宮が展開しているアートプログラム。今回のサイモン・フジワラの作品のテーマは「岩」。 太宰府での取材や滞在を経て制作された作品を公開するとともに、そこで制作されたアート作品を収蔵し、地域の文化発展につなげる活動を展開している。これまでもライアン・ガンダー(2011年)、小沢剛(2008年)、日比野克彦(2006年)ら、国内外の一流の美術家が参加し、国内はもとより海外からも注目を集めている。
今回の出展作家となるサイモン・フジワラは、その名からも想像できるように、日本人の父とイギリス人の母をもち、イギリスで育ったアーティスト。1982年生まれの若さでありながら、インスタレーション、ビデオ、彫刻、パフォーマンス、テキストなどを織り交ぜたミクストメディアな美術表現で、世界的に注目を集める美術家だ。 現在ベルリンを拠点に活動し、日本では現代美術ギャラリーTARO NASUを通じて作品を発表している。2011年には東京都現代美術館で開催された『ゼロ年代のベルリン わたしたちに許された特別な場所の現在(いま)』展への参加で憶えている方も多いと思う。
サイモン・フジワラは今回、太宰府に滞在し、神社でのリサーチを通じてインスピレーションを得た「岩」にまつわる新作を発表するという。岩は古来から神秘的な存在としてときに崇められ、信仰の対象にもなることもあった。また、土地や人の思いが内在するともいわれ、さらに時間を内包する存在として畏怖される存在でもある。 「学問の神様」として日本中から信仰を集める太宰府天満宮だが、「文芸・芸能・芸術の神様」としても古くから人びとに親しまれている。また和歌や連歌、歌舞伎、書画の奉納を通じて、アートとの関わりの深い神様としても知られている。境内にある絵馬堂は僕も参拝の度に訪れるのだが、さまざまな時代の「絵画作品」ともいえる見事な絵馬が掲げられた人びとの憩いの場所として親しまれている。
太宰府天満宮には樹々が植えられた緑豊かな森があり、境内には閑静な庭園や池なども点在する。 現代アートの発信拠点としてもその存在を増しつつある太宰府天満宮。考古学的なアプローチで、ときに劇場的なエキセントリックな表現をともなうサイモン・フジワラの作品群が、太宰府からいかなる影響を得て、どのような作品に結実しているのか、作品をみるのが今から楽しみでならない。

太宰府天満宮アートプログラム vol.8  サイモン・フジワラ「The Problem of the Rock」  会期/2013年3月24日(日)〜6月30日(日)  太宰府天満宮宝物殿第3展示室および境内  http://www.dazaifutenmangu.or.jp/art/program/vol.8


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