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加藤 孝司/KATO Takeshi
Design, Real Landscapes

デザイン・ジャーナリスト。東京は浅草生まれ。建築・デザインを横断的に探求、執筆。
デザイン誌や建築誌などへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、建築、デザイン、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。
http://form-design.jugem.jp


月別アーカイブ: 1月 2012

空の色

先週末、谷中の時代空間でみた「SORA」展(会期は昨日で終了。http://meatonic.com/sora/index.swf )。

時代空間は以前写真展を観に行ったこともあるが、谷中の裏道らしいこのエリアならではの独特の雰囲気をもった民家一軒が、現代美術を展示するギャラリーとして再利用されている空間だ。

展示作品は映像作品が中心で、空の色をテーマに、「分光実験」、「空色実験」、「SKY COLORS」と三つの作品が展示されていた。古民家然とした空間に、iPadが作品と鑑賞者を繋ぐインタフェースとなっていたのが、妙な未来感を感じさせたし、実にこの時代ならではの展示風景だと思った。

さまざまな色の集合体である太陽光を、特殊な樹脂板をつかって分光する「分光実験」。これは光を屈折、分散させるプリズムや、虹のような現象をイメージすると分かりやすい。
「空色実験」は、金星、地球、月、水星などいくつかの惑星を例に、大気の有無、濃度により空の色がどのように異なるかを、液体を入れたビーカーに濃度の異なる色付きの液体を流しこんだり、光を透過させたりして可視化する映像実験。
「SKY COLORS」は、1年365日の空を観測し、その色を記録しデータ化したものを時間ごとに色分けした映像作品。ミニマルなデジタルミュージックとともに、ドットを用いてグラフィカルに表現している。
それらがPCモニター上に、あるいはプロジェクターによって古民家の壁面に投影されるという展示方法だ。

私たちが光といっているものは、波を打ちながら進むエネルギー=電磁波としてあり、観測されているだけでも無数にある一つずつの波形を波長と呼んでいる。そのいくつかを太陽と光、空間との関係で、われわれの視覚は可視光線としてとらえ、ときに色として認識する。
普段の暮らしのなかで、見ているようで見ていない、目に見えているようで見えていない、あまり物質感を感じることのない存在である「空」を、光、色、タイムスケールといった三つの視点で、デジタル技術をつかって可視化するこの試みは、思考実験としても興味深いものであった。

「SORA」展は、本展のディレクションとデザインを山口幸太郎氏、サイエンスディレクションを大西将徳氏、デザイン・エンジニアリングを櫻井稔氏、非発光ディスプレイのシステムエンジニアリングを山田啓己氏がつとめた。


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